経営者と社員の信頼なしに、社員教育はあり得ない
経営悪化で削るべきは経営者の報酬
今振り返れば、社員が立て続けに辞めていった理由が分かります。
私がやったことは、会社をよくするための行為ではなく社員に不安を与える行為そのものだったのです。
社員はおそらくこう思ったに違いありません。
「A君は仕事が出来なくてクビにされ、新しい社員が入ってきた。俺たちなんて、替えの効くコマなんだ」
こんな気持ちで働いている社員に何を教えようが…結果は分かりますよね。
同じことが、業績悪化時のリストラにも言えます。
利益が落ち込んでいる時に、メスが入るのは人件費です。
経費を見直し無駄を省き、それでも状況が改善しない場合には人員削減という決断に至ることもあります。
その時にも、同じ過ちを犯す可能性があります。
人員削減してなんとか持ちこたえたとしても、社員が思うことはひとつです。
「ウチの社長は経営が危なくなったら社員をクビにする。いつかは俺の番だ…」
削るべきは経営者の報酬であり、それでも足りなければ経営者の資産から補填する。
その覚悟があってこそ社員は経営者を信頼し、安心して働くことができるのです。
教育は、そこから始まる。私はそう思います。
「うまく行かないのは経営者の責任。成功はみんなのお陰」なのですから。
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