茨城県水戸市で住宅会社(株)ディレクタや防水・塗装・基礎工事や白アリ予防の(有)シュウトク、ドローンスクールなど数社を経営しています。渡辺秀徳です。
年度末最後の登壇者として、水戸南倫理法人会でモーニングセミナーの講師を務めました。水戸倫理法人会から分法し、会長として水戸南倫理法人会の立ち上げに関わらせていただき、早3年。その締めくくりとなる会です。108社、114名の方にお集まりいただき、会場は満員御礼。席を追加しても足りないくらいでした。
いつも開始の1時間以上前から会場に来て準備していただいている役員の皆さまには、この場を借りてお礼申し上げます。
真剣とは
まず栗田樹志夫副会長より、ご挨拶をいただきました。テーマは「真剣とは」。以下、栗田副会長のお話を、私なりにまとめました。
成功には小さい・大きいがありますが、あくまでそれは結果。そこに至る行動が大切です。そして行動を起こすのは自分で、行動を起こすための目標を決めるのも自分です。
宝くじに例えてみます。1万円当たったくじと、1億円当たったくじが手元にあったとして、「今日中に引き換えないと間に合わない!」という状況だったとしましょう。さらにその日はとても忙しく、スケジュールが埋まっている。1万円と1億円。どっちが本気に、真剣になるでしょう。
要するに、「目標の大きさ」が行動を左右するという例え話です。目標の決め方や、そこに向かってどう行動したら良いのか悩んだら、ぜひ倫理を活躍して欲しい。倫理では先駆者たちの失敗談が聴けます。失敗から学ぶことが多いのは言うまでもありません。
来週からは新年度、新たなスタートを切っていきましょう!
「我流」が縁を壊す
ここからは、私がお話した内容です。ひとくちに「縁」と言っても、色々なものがあります。職場、取引先、友人・知人。そして一番近い所にあるのが家族ですね。
その縁をつないでいるものも、色々あります。金、友情、愛情…。ただ、その根っこにあるのは、「ルール」だと思います。その縁における「ルール」を全うしていれば、解散したり、離縁したりすることはありません。逆に言えば、ルールを破れば関係性が終わるということです。会社で言えば倒産。夫婦で言えば離婚です。
例えば家族で言えば、明確に「家訓」を定めているところは少ないですよね。好き同士が結婚して子どもが生まれ、いつの間にか家族になっている。そこになんとなくの決まりごとがあって、なんとなく毎日を過ごしている。
私の場合、23歳で独立、シュウトクを起業し、今年で30年目を迎えました。家族と同じように、最初はルールなんてありません。自分がルールでした。朝5時に社員を集めて朝礼を行い、終わるのが8時。その間、取引先から電話があろうが無視です。今振り返ってもおかしい状況ですが、「我が強い」状態だったんですよね。一事が万事、社長である私の理不尽に不満を抱える社員も多かったと思います。
ある時、協力いただいている設計士の方から、「職場の教養」をいただきました。中身を見てびっくり。朝礼のやり方が書いてあるんです。それまでの朝礼は我流だったので、目からウロコの内容でした。初めて「ルール」に触れた瞬間です。当時私がやっていたことって、せっかくいただいた社員との「縁」を壊すような行動だったんですよね。
倫理は宗教か
会員の皆さんは経験があると思います。「倫理って宗教みたいで気持ち悪い」って、言われませんか。早朝から大声を出す、歌を歌う。その部分だけを切り取って、そう表現しているのかもしれませんが。そもそも宗教って、悪いものなのでしょうか。
私自身は神道なので、明確な「教え」というのが無いのですが(私の勉強不足で知らないだけかもしれませんが)、「宗教=気持ち悪い」と表現する皆さんは、いわゆる「宗教」というものをちゃんと勉強して知った上で、言っているんですかね。
テーマの「縁」からは若干話が逸れるかもしれませんが、「知らないこと」に対してアレルギー反応を示すことは、自分自身の幅や可能性を狭めます。知らないことを知ることこそが、縁をつなぐきっかけになり、自分自身が成長する機会になるからです。
倫理で学んでいるのは、人としての基本的なルールですよね。人と会ったら元気に挨拶する。身だしなみを整える。自分自身の振る舞いを美しくする。そんな基本的なことができない人は、会社にいたって仕事はできませんよね。発注者目線で言えば、同じようなサービスを提供する会社なら、元気に挨拶をする人に仕事を頼みたいですよ。
そんな「縁をつなぐ」基本的なルールを学べるのが倫理だと思います。
自分自身の「我」と戦う
人間って弱いんです。
金は無いよりある方が良い。金が貯まったら貯まったで、もっともっと欲しくなる。男は女が好きだし、女は男が好き。眠くなったら寝たい。腹が減ったら食べたい。この欲って、どうにもできないんです。
じゃあ、仕事って誰のために、何のためにするんですか。自分のため、金のために仕事するんでしょうか。単に自分のため、金のためなら、手段を選ばず楽して稼げた方が良いですよね。でも、不思議なもので、そういう人には良い縁が来ないんです。気づいたときには周りに人がいなくなっている。似たような人は寄ってくるかもしれませんが。
私は毎日、朝2:30に起きています。前日は8時くらいに寝るようにしていますが、会食など夜に予定が入ることも多いです。でも、どんなに前日遅くなってしまっても、2:30に起きます。自分自身との約束だからです。眠くても起きる。やると決めたら、やるんです。大げさに言えば、自分自身と戦って、勝つんです。
もう一つの日課は、早朝の私は一人っ子です。母は私が14歳の時に無くなりました。忘れもしない9月15日、敬老の日です。
「とにかく勉強しろ。良い学校に入れ」というのが口癖でした。母は中卒で、学歴コンプレックスを持っていたんだと思います。
そんな母の日課が、早朝のトイレ掃除でした。水洗トイレではありません、昔ながらのボットン便所を手で掃除していました。母が亡くなった次の日から、私の日課になり、今日までトイレ掃除を欠かしたことはありません。旅行先や出張先でも、必ずトイレを掃除しています。今さらですが「母に認めてもらいたい」という気持ちがあるんだと思います。
冒頭にもお話しましたが、「ルール」を全うすれば、すべてうまくいきます。でも、ルールを守ってもらうためには、率先垂範。自分自身がルールを守らなければ説得力がありません。
倫理名物の100日実践。これだって、100日実践できない人もいます。かといって、やっと100日実践できた!とそこで止めても意味がありません。また新たな100日実践を自分に課す。それを続けていくことに意味があります。
自分のためでなく、相手のため
支払いだってそうです。取引先から
「今月はお金がないから、支払いを遅らせてくれ」
そんな風に言われたことありませんか。支払い期限もルールのひとつですが、それを破られてしまった経験です。でも、自分自身に原因があることもあります。支払い直前に
「もう少し安くしてくれ」「何かサービスしてくれ」
そんな要求をしていませんか。取り決めした契約金額を守る。これもルールです。どちらかがルールを破れば、その瞬間に、2者間のルールは壊れ、最悪、縁が切れる原因になります。取引先が繁栄することで後から自社の繁栄がやってきます。「誰のために」を考えるきっかけになると思いませんか。
結果論ですが、弊社には取引先が1600社ありますが、そのほとんどがご紹介です。自分自身で営業して縁をつないだ、という取引先は50社くらいだと思います。
信成万事
最後に、私が好きな倫理の言葉をご紹介して終わりたいと思います。
15条「信成万事 信ずれば成り、憂えれば崩れる」です。
自信のないことは失敗する。憂え心を抱いて弱気になると、物事はうまくいきません。きっとできるという信念が、そのことを成就させます。信は力なのです。
一般社団法人倫理研究所「倫理の17カ条」より
決めるのはいつも自分です。決めたことをやるのも、やらないのも自分です。大切なのは信念を持つこと。8月で水戸南倫理法人会会長の任期である3年が満了となります。
私が考える、倫理で伝えたいことは「幸せになること」です。「幸せ」は人それぞれですが、幸せになるためには多少の負荷が必要だと思います。
誰の為に、何のために。
それを意識していただけるきっかけとなれば幸いです。ありがとうございました。