伸び悩んだら営業力と販売力に分解して考える

茨城県水戸市で住宅会社(株)ディレクタや防水・塗装・基礎工事や白アリ予防の(有)シュウトクドローンスクールなど数社を経営しています。渡辺秀徳です。

先日、ある企業の経営者と雑談していたら、その方がこんなことをおっしゃいました。

ウチは販売力はあるんだけど、営業力が弱いんだよね。

何気ない一言でしたが、私はすぐに自社に置き換えてしまいました。営業力と、販売力。自社はどういうバランスなんだろう

今回は営業力と販売力の違いについて説明します。

大きく違う、営業力と販売力

「営業」と「販売」の違い

二つの力は同じように見えて、求められるスキルや顧客に大きな違いがあります。

前段として、まずは大きく「営業」と「販売」の違いを知りましょう。

まず例を挙げます。下記は営業・販売のどちらに当たるでしょうか?


  • 既存の取引先である工務店に建材を販売する
  • 住宅展示場に来場した客に新築を売る
  • アパレルショップで服を売る
  • テレアポリストを元にテレアポし、浄水器の販売を売る
  • 飛び込み営業で工務店に水回りの建材を売る

職業柄、住宅関連の例えが多いのはご勘弁ください(笑)。私の考える正解としては、上の3つが販売、下の2つが営業です。

では、営業と販売の二つを分けるポイントは何でしょうか。

営業と販売を分ける2つのポイント

①顧客に購入の意志があるかどうか

これが一番大きな違いです。

知り合いの紹介や広告で見たなどの理由でお客様が「〇〇を買いたい!」と、あなたと会っているのか、それともあなたからお客様に対して、新たな商品を売り込むのか。

商品を売りやすいのはどちらでしょう。もちろん前者ですよね。

後者は、買いたいかどうかも分からないお客様に対して商品を売るわけですから。

そのためには、お客様に「買いたい」という気持ちになってもらわないといけません。

これが出来るかどうかが、営業力があるかどうか?という話になってくるわけです。

②お客様と実名のコミュニケーションがあるかどうか

例えばアパレルショップで、アルバイトの店員が商品を販売してもらうためには、どのような工夫ができるでしょうか?

雑誌掲載された記事をポップにして貼り付けるとか、おススメのコーディネートをしたマネキンを立てるとか…。

お客様の目を引くための様々な工夫がありますよね。

では、このような工夫を含めて商品を販売することは「営業」と呼べるでしょうか。少し違和感を感じませんか。

その理由は実名のコミュニケーションです。

店舗に来店されたお客様に「いらっしゃいませ」と声を掛けてから、お客様が購入したい商品をレジで受け取り、会計し、袋詰めして渡す。

この一連の流れに「私は〇〇の〇〇です。」という自己紹介のコミュニケーションがありませんよね。これが違和感の正体です。

名刺を出さない営業マンはいませんし、名刺を出された相手も基本的には名刺を出します。

つまり「実名でのコミュニケーションがあるかどうか」「お客様としっかりとした濃い関係が築けているかどうか」が営業と販売の違いでと言えます。

もちろん、アパレル店で販売を担当されている方の中には、意図して「営業」をされている方もいらっしゃると思います。

うまく営業している販売担当者は、定期的に購入してくれるリピーターを掴むことに成功しています。

店の名前やブランド名でなく「〇〇さん」目当てのお客様がいらっしゃる状態です。

販売力を基礎として、営業力を掛け算できれば自然と売り上げは上がっていくという論理です。

余談ですが、私はコンビニ巡りが趣味です。

セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ…コンビニ各社、色々なキャンペーンや新商品のリリース等で、しのぎを削っていますよね。

コンビニで見るポイントは様々ですが、まず見るのは店内外の清潔さ。ゴミ箱は溢れていないか。トイレは綺麗か。床は綺麗か。棚の陳列は乱れていないか。

売れている店舗ほどお客様が多いので、店内外を清潔にするのにはかなりの労力がかかるはずですが、売れている店舗ほど清潔です。

次に見るのは接客です。

レジに人が並んでいるのに品出しをしていたり、片方のレジが込んで列になっているのに、バックヤード作業をやっていたり。

そんなコンビニからは、お客様が離れていきます。

コンビニに求められていることは、早さと便利さです。同じペットボトル飲料を買うならスーパーの方が安いですもんね。

だからコンビニにおけるレジ業務は、顧客満足度に直結する要素なんです。

もちろん接客業ですから、笑顔や最低限の言葉遣い等も大切な要素ですが。

店舗ごとの差別化が難しいように思われるコンビニでも、差別化は可能なんですよね。

営業力と販売力の違いまとめ

一度、まとめます。


営業力と販売力の違い

  • 営業力
    買いたいと思っていない人にものを販売する力
  • 販売力
    買いたいと思っている人にものを販売する力

冒頭の経営者の方の話にあった「ウチは販売力はあるんだけど、営業力が弱いんだよね。」 は、言い換えれば「商品が欲しい人には確実に販売できるけど、買いたいと思っていない人に商品を販売するのは苦手」ということです。

買いたいと思っていない人に商品を販売するにはどうすればいいのか?

それはまた別の機会にお話したいと思います。

渡辺秀徳でした。

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