勝ちを掴み取る、勝負師の負け方
勝ちを掴み取る、勝負師の負け方

茨城県水戸市で住宅会社(株)ディレクタや防水・塗装・基礎工事や白アリ予防の(有)シュウトクドローンスクールなど数社を経営しています。渡辺秀徳です。

世の中の多くのことには勝ち負けがありますね。

私は「勝ち」と「負け」は一時的なものだ、と考えています。

目標をどこに置くかで、その意味がガラリと変わるからです。

大切なのは負けをただの負けにしないこと

勝負師の考え方についてお話します。

勝ちを掴み取る、勝負師の負け方

めざすのはオリンピックか?インターハイか?

負けから勝ちを掴む

「負けから勝ちを掴む」とはどういうことか。

シンプルに言えば「その戦いは自分の計画においてどの位置にあるのか」ということです。

計画における決勝戦なのか、それとも予選なのか。

さらに言えば、練習試合なのか、オリンピックなのか、ということです。

わかりやすいので、またレスリングに例えてしまいます(笑)。

レスリングは2歳からやっている子もいます。

もちろん私のように高校から始める人もいます。

試合の価値は、人によって様々です。

レスリングは2歳から始めて小学校に上がり少年団、中学校、高校の部活、大学のサークル、社会人になってからの活動…と、

辞めなければずっと取り組むことのできるスポーツです。

選手から指導者へと変化していく人もいます。

めざす目標はどこなのか?

インターハイで優勝することなのか?

それともオリンピックで活躍することなのか?

はたまた小学生で日本チャンピオンになりたいのか?

目標を見据えた時に、今、この試合はどんな意味を果たすのか。

そう考えた時に、オリンピックを目指す人にとっての、

少年団の全国大会の勝ち負けは、どれだけの意味があるのでしょうか。

小学生のうちから負けを知る意味

負けを知らないリスク

誤解してほしくないのは「勝ち負けに意味がない」ということではありません。

試合ごとの勝ち負けに一喜一憂するな、ということです。

小学生だろうが中学生だろうが関係なく「勝つためのトレーニング」をする指導者もいます。

勝率を上げるために、小学生相手に対戦相手が嫌がるような技を教え込むような。

小学生のうちは、身体も未発達なので体格もまちまちです。

他の指導者が教えないような技を教えれば、比較的勝ちを取りやすいのも現状です。

「小学生のうちはレスリングをやって結果を出し、中学からは別のスポーツに取り組みたい」

そんな予定なら、小学校のうちに華々しい成績を残すことには意味があるかもしれません。

ただ、インターハイや国体、オリンピックを目指す選手にとって、

小学生から負けを知らないことはリスクにもなります

言わずもがな、小学生の狭い世界から、中学、高校と上がるにつれ、

出会ったことのない強い選手たちと戦うことになります。

敗北することも増えていくでしょう。

そんな中で、小学生から負け知らずで勝ち抜いてきた選手は、

いとも簡単に挫折してしまうのです。

子どもたちの練習を見に行く機会も多いのですが、

その中で見かけるのは、「昔レスリングをやっていた」親御さんです。

頑張るわが子の姿をみて、若かりし頃の自分を重ねてしまうんでしょうね。

先生やコーチの指導に横やりを挟んでしまう人も、中にはいます。

「わが子をなんとしても勝たせたい」

その一心で、現役だった自分の知識を詰め込もうとします。

その気持ちはよく分かります!

現に、私も、長男に対しては非常に厳しく指導しました。

その結果は… 幼き長男の心と身体を壊してしまうことになってしまったのです…

(※詳しくは講演会で…)

先生やコーチの多くは、小学生に適した段階の指導をしています。

負けることも教育だと知っているからです。

一度わが子を任せたら、口をはさむな

大切なのは守破離

剣道や茶道などで修業における段階を示した言葉として「守破離」があります。


「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。

「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。

「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。


小学生のレスリングは間違いなく「守」です。

指導者の教えに耳を傾け、徹底的に従うこと。

間違っているか?正しいか?はさほど重要ではありません。

まずは愚直に指導に従うことが前提です。

なぜならば、指導者には指導者なりの信念や矜持があるからです。

数年やそこらでは、そこを推し量ることはできません。

成長して振り返ってはじめて、その指導の意味に気づくはずです。

指導を受け、素直に従う

まずはこれがスタートです。

親から見て疑問に思うこともあるかもしれません。

が、一度わが子を任せたのですから、横やりを挟むのは、言語道断です。

成長とともに、練習試合などで他の指導者と出会うこともあるでしょう。

それはそれ。

冒頭でお伝えした通り、世の中にはいろいろな指導者、指導法がありますから。

ただひとつ、指導者と共有すべきことは「目標」です。

わが子はどうなりたいと思っているのか。

親としては、わが子をどうしたいのか。

目標を指導者と共有することで、

今の負けは、将来の勝ちを掴み取るための肥やしとなるのです。

1,095日。26,280時間。

石の上にも三年

「石の上にも3年」を計算すると、日数にして1,095日。

時間にして26,280時間になります。

ことわざにもあるとおり、まずはこの時間は

じっと黙ってわが子の成長を見守ることです。

レスリングにおいて良い指導者ほど、

派手な技の練習ではなく、地道な「守り」の練習を毎日繰り返します。

「攻撃は最大の防御」ともいわれますが、攻めを先に学んでしまうと、守りの練習は地味でつまらなくなってしまい、十分な成果が得られません。

攻めばかりを学んでしまうと、大技に頼った選手になり、戦術が偏ったり、無理な体制から攻めに転じて身体を壊したりしてしまうケースも少なくありません。

選手にとって怪我や故障は致命的です。目標が先にあればあるほど、故障しにくい身体づくりが重要になります。

目の前の勝ちに一喜一憂するのではなく、将来の勝ちのために今できるベストを尽くす。

結果、負けてしまったらその悔しさをバネに練習すればいい。

そして、負けられない戦いに挑むその日のために、じっと腰を据えて励むのです。

これが勝ちを掴み取る、勝負師の負け方です。

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