水戸中央倫理モーニングセミナーの様子

茨城県水戸市で住宅会社(株)ディレクタや防水・塗装・基礎工事や白アリ予防の(有)シュウトクドローンスクールなど数社を経営しています。渡辺秀徳です。

今日は、水戸中央倫理法人会さんで「亡き母の願い 60歳からのスタート」というタイトルでお話をさせていただきました。

本日は参加者に身内がいたこともあり、いつも以上に緊張しましたが…機会をいただき、ありがとうございました。

本日のポイントは3つです。


  • 分相応のお金の使い方
  • これからの経営
  • 人材採用のギャップと私の夢

分相応のお金の使い方

無駄なことにお金を使うくらいなら仕事しろ

冒頭に、今日のモーニングセミナーには、私の叔父であり経営者として大先輩である渡邉均さんと、息子さんの渡邉剛さんが参加してくれています。

均さんは水戸市にある老舗食品メーカー(株)高久さんの取締役会長で、剛さんは同社の代表取締役を務めています。私の家系は商売人が多く、小さい頃から経営について学ぶ機会が多かったように思います。

その中でも印象に残っていたのは、お金の使い方の話です。商売人だから事業以外の「無駄なこと」にお金を使ってはいけない。高級車を乗り回して遊ぶ余裕があったら、1秒でも多く仕事すると教えられ、それを頑なに信じ続けていました。

23歳で防水職人として開業した時にも、その教えを守っていました。開業初日から休みなく働き、手取りで200万近く得られたのです。

周りの職人達は得たお金で夜の街に遊びに行っていましたが、私はお金を事業以外に使うことなく、真面目に仕事していました。それが正しいこと疑いませんでした。

ですが、ある日。それが間違いであることに気づいたんです

このままじゃ一生現場から離れられないぞ

今もお世話になっている尊敬する経営者がいます。まだ20代だった私が、その方から会食に誘われました。

「渡辺、今日の夜な、〇〇(店の名前)に食事しに行こう」

もちろん「はい!お誘いありがとうございます!」と、応えました。

もちろんその日も仕事ですから、時間いっぱいまで現場作業し、ちょっと家に寄ってシャワーを浴び、着替えて店に向かったわけです。

当時私の車は現場用のバンが一台。店に着いてバンから降りたところでその方とお会いしました。

一言。

お前な、そんなんだといつまでも現場から離れられないよ。一生親方で終わるぞ

意味が分かりませんでした。作業着じゃない小ぎれいな恰好だし、時間には遅れていない…。何を言っているのか理解できない私に、彼は教えてくれました。

「お前が将来、現場から離れて人を使う立場になりたいならよく聞きなさい。経営者には正しいお金の使い方というものがある。

社長と呼ばれる立場の人間が、泥で汚れたバンで夜の会食に来るなんて言うのは問題外だ。人によってはそれだけで怒って帰るだろう。

会社の看板を背負った経営者同士が食事するというのは、そういうことだよ。

頭をバットでガツンと殴られたような衝撃でした。

私はもう、雇われ人ではない。私自身が会社であり、私が会社の顔である。

それがどういうことか、その瞬間にようやくわかったのです。

車も、社屋も、着るものも全て、私であり会社の「格」を決める。お金はそういうものにも投資すべきだということです。

高級車を買え、ということではない。自分の立場に相応しい身なりになれ、ということを教えていただいたのです。そして、買う場所も大切です。人の顔が見えるところで買う。この話はまた別の機会に。

経営者の仕事は未来を創ること

市場は秒単位で変化します。以前、「市場調査からiPhoneは生まれなかった」という記事でも書きましたが、創業から25年、市場は変化し私自身もそれに合わせて変化しています。

私があの経営者に会うことなく防水職人を続けていたならば、私は永遠に下請けの職人のままで終わっていました。防水の施工単価は下がり、文字通り「死ぬまで」家族を養うために朝から晩まで現場で働き続ける人生だったでしょう。

「経営者としてどうあるべきか」を考えるきっかけをいただいたことで、「職人」から「経営者」を意識するようになり、市場のニーズだけでなく、これから需要が生まれるであるシーズに目を向けるようになりました。

結果として、防水以外にも事業を拡大し、今となっては建築事業やドローン事業と多角化を図っています。

これだって、来年・再来年もニーズがあるかは分かりません。だからこそ、現場から離れ、経営者としての仕事に注力しています。

経営者の仕事は未来を創ることです。現場は任せられる社員に一任する。当たり前ですが、優れた経営者と会食することも仕事のうちです。そこから生まれたビジネスもたくさんありました。

人材採用のギャップと私の夢

天職と転職

どこも人材不足が騒がれています。特に建築業界は、施工監督の不足や職人不足で受注した現場が回らない、なんていう話もよく聞きます。そこにチャンスがある!ということから始めたのが建築事業の「ディレクタ」な訳ですが…

私は、決して人材は不足しているわけではないと思っています。要はマッチングの問題だと。

求めている会社と、求められている人のマッチングがうまくいっていない。

さらには、情報が多すぎて、職業選択の自由度が増していること。私にはきっと天職があるはずだ、と転職を繰り返す。

天職なんてないですよ。 それは逃げだ。 甘えちゃいけない。

現実には転職を繰り返すほどに選択肢は狭まり、振り返れば最初に入社した企業が一番良かった、というのはよく聞く話です。

私の会社、たった25年の間ですら退職者は60人を超えます。

「残業が多いと妻に言われて…」「自分には与えられた役割が重すぎる…」

様々な理由で退職していきましたが、社長である私と上手く行かなかったというのが大きな理由でしょう。

特に中小規模の会社では、経営者とウマが合うかどうかは、社員からすれば死活問題です。

早いうちにぶつかった方がいいというのが私の考えです。

孤児に課せられるあまりにも高いハードル

私の夢は、60歳で孤児の学校を創ることです。

理由は二つ、社会貢献と育成から始まる人材採用です。

以前、孤児の施設に行く機会がありました。そこで知った現実は、就職の問題です。18歳になると施設を出ないといけない決まりがあるそうですが、企業が孤児を採用するハードルがとても高い。

衣食住の全てを用意できる企業しか、採用できないというのです。中小企業では難しい現実です。あまりにも高すぎるハードルに、私は衝撃を受けました。

子供たちの一人ひとりと向き合うと、真面目な子たちが多い。なのに、就職が難しい。こんなことは許されるべきではない。

だからこそ、私は孤児の学校を創り、子供たちの教育から始めていきたい。倫理観や道徳観といった、人間として正しく生きる術を教えたいと強く感じたのです。

そして、その子たちを私の会社で雇用したい。これが、私の夢です。

渡辺秀徳でした。

渡辺秀徳でした。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

おすすめの記事